最近あった映画ニュースをつらつらとお届けします。

1.カンヌ国際映画祭ポスター発表 
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5月に迫ったカンヌ国際映画祭のポスターが発表されました。テーマはジャン=リュック・ゴダール『軽蔑』(63) 。この作品より後に生まれた監督がおおぜい参加する中で、本人はいまだに新作を製作しているのは驚嘆するほかありません。河瀬直美監督がシネフォンダシオン部門と短編部門の審査員長を務めます。いつか現地で観られたらいいですね。

まだコンペ部門の出品作は発表されていませんが、噂されているのは
オリヴィエ・アサイヤス 
ペドロ・アルモドバル
グザヴィエ・ドラン
ニコラス・ウィンディング・レフン
パク・チャヌク
ダルデンヌ兄弟
ベルトラン・ボネロ
あたりです。

カンヌのコンペはほぼ常連しか参加できませんが、2015年はネメシュ・ラースロー(サウルの息子)、ヨアキム・トリアー(Louder Than Bombs)の2人がサプライズともいえる選出を果たしました。

これに加えて「Louder Than Bombs」(ノルウェー)、マッテオ・ガローネ「Il racconto dei racconti」(伊)の日本公開が決まり、これでフランス映画以外すべてのコンペ出品作が公開されます。マッテオ・ガローネは好きな監督なのですが、前作『リアリティー』はヴェネツィアで審査員グランプリを取ったにもかかわらず一般公開されず、イタリア映画祭と東京国際映画祭のみの上映となりました。今回もまさか公開されると思わなかったのでよかったです。
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まったく無名だった『サウルの息子』の快進撃はご存じの通りです。今年はどんな新星が登場するでしょうか。


2.『ルーム』来日
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アカデミー主演女優賞に輝いたブリー・ラーソンとジェイコブ・トレンブレイ君が来日しました。『ショート・ターム』を観た身としては嬉しいですね。
ジェイコブ君はお母さんに日本の曲を何曲かiPodに入れてもらったところ、星野源がお気に入りだそうです。プレミアでは菅野美穂が「かわいすぎて連れて帰っちゃいたい」と言ったところ「それじゃ映画の繰り返しになっちゃうよ」とアドリブを効かせたコメントで周囲を湧かせていました。

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『ルーム』はシネマイーラで上映されます。この写真はアカデミー賞の翌朝に撮ったものですが、その日のうちに「主演女優賞受賞しました」というポップが貼られていて館主の努力を感じました。


3.ディカプリオ来日
2年ぶり10度めの来日です。毎回同じ服です。
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4.BvS公開
ケツアゴどうしが戦う『バットマンvsスーパーマン』がいよいよ公開になります。
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IMDbでは9.3点と高評価で期待が高まりますが……

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 ロッテントマトでは残念な評価になっています。
公開前のIMDbの点数はプレミア上映で観た熱心なファンが興奮しながらつけるのでどうしても高くなるという数字のマジックです。
マーベルがアベンジャーズシリーズを成功させる中、DCがザック・スナイダーに命運を託した超巨大プロジェクトは果たしてどうなるのでしょうか。 

マーベルの『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』の予告編も先日発表されましたが、最後にスパイダーマンが初めてお披露目されたこと、そのスーツがビニールのようにチャチかったことから話題になっていました。
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 日本で1970年代に放送された東映版スパイダーマンにそっくりです。
このスパイダーマンは東映とマーベルが「お互いのキャラを自由に使っていい」という契約を結んだ結果生まれたものですが、日本人になじみのないアメコミより巨大ロボのほうが人気が出るだろうということでレオパルドンというロボが出てきたりと、おおらかな時代を感じさせるものでした。

5.『エクス・マキナ』公開
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2015年1月に英国で公開された『エクス・マキナ』。人工知能SFという日本人好みの題材、キョウコという日系人演じるメイドが出てくる、人気のオスカー・アイザックが出演といった要素から日本でもすぐに公開されると思われていたのですが、何か月たっても音沙汰がありません。日本の映画ファンは公開を熱烈に待ち望み、ついに1年半遅れで6月に公開されることになりました。 
アカデミー賞では誰もが『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が受賞すると思っていた視覚効果賞をサプライズ受賞したことも後押しになったに違いありません。オスカー・アイザック、ドーナル・グリーソンと主要キャストは2作ともかぶってますが。